片頭痛の予防注射薬『抗CGRP製剤』について

片頭痛は、疲労やホルモンバランスの変化などの原因により、脳内にCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が増え、脳の血管に作用して起こるものと言われています。抗CGRP製剤は、このCGRPの働きを抑え、片頭痛発作を予防できると考えられています。

※画像はエムガルティの投与効果のイメージです。

2021年に日本でも承認され話題となった抗CGRP製剤。承認当初は1剤のみでしたが、3年半ほどが経過した現在、日本では以下の3種類の抗CGRP製剤が使用可能です。
「エムガルティ®︎(ガルカネズマブ)」

「アジョビ®︎(フレマネズマブ)」

「アイモビーク®︎(エレヌマブ)」

【対象患者】
・すでに片頭痛予防の内服薬を服用しているにもかかわらず月に4回以上の片頭痛発作のある方

頭痛で寝込んでしまい、日常生活や仕事に支障がある方

【値段:健康保険3割負担の場合】

月約11,800円~約12,900円 (エムガルティのみ初回は2本投与のため約25,700円)

※健康保険組合の中には、1か月間の医療費の自己負担額が設定された上限額を超えた際に、超過分の費用を払い戻す「付加給付金制度」が導入されている場合があります。一度、ご自身の組合にご相談ください。

【治療方法】

原則は月1回の注射投与

※頻繁な通院が難しい方には、選べる薬剤は限られますが1回に3本投与し3ヶ月に1度の受診も可能ですし、ご自宅にてご自身で投与する『在宅自己注射』に切り替えることも可能です。一度ご相談ください。

片頭痛は、仕事や家事の効率が落ちて経済的損失が非常に大きいと言われているほどです。
家事ができなかったり仕事に行けなくなるほど激しく痛む方もいます。
その頭痛のつらさを周囲の人に理解してもらえず悩んでいる方もいます。
当院スタッフも重度の頭痛に悩まされていましたが、抗CGRP製剤の治療を開始してから片頭痛発作が激減しました。もちろん個人差はありますが、頭痛に悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。